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第4回 UV印刷の装置 2

UV印刷で使用する装置全般については前回お話しましたが、今回はそのなかでも最も重要視されているUVランプについての補足説明をいたします。

UVの強度と積算光量

UVランプの強さを管理することはUV印刷において最重要課題であることから、その強度(ピーク:mW/cm²)と積算光量(エネルギー:mJ/cm²)を計測することは大変重要なことです。但し、印刷室で実際のUVランプを計測することは危険であり不可能であるとされてきました。しかしながら、弊社ではUVランプを印刷機につないだままベルトコンベアに乗せて、UVランプの実測(図1)による出力値計測を行っています。

図1)

例えば、菊全サイズ用のメタルハライドランプを実際に計測した数値(図2)を見ると、非常に興味深い事柄を見出すことが出来ます。
UVランプ出力をフルパワーである160W/cmで発光させる強さから20 W/cm毎に(12.5%づつ)減灯すると、実際の出力値もほぼリニアに照度と積算光量が減少していく様子がお分かりになると思います。原反の熱に対する敏感度を考えて出力を下げたり、又UV光の透過度の高いUVインキでは節電のためにUVランプ出力を意図的に下げることがあるので、狙った出力%の実際値の把握は非常に重要なのです。 次に、UVランプ出力を固定してUVランプの位置(原反に対する高さ)を通常の位置から1cm〜5cm上方に離した際のデータ(図3)を見てみます。

図2)

積算光量に大きな変化はありませんが、強度は3cm離れると実に3割、5cm離れると4割も弱まることが明らかになっています。UVインキやニスの皮膜形成(第1回参照)には1灯目の強度が強いほどベターですので、原反への熱の悪影響の問題が無ければ距離を離すことは回避すべきことです。UV印刷機の装備の話をする際には、○○○W/cm²のUVランプを装着していると説明があるかと思いますが、重要なことはUVランプ出力の他に印刷される原反とUVランプの距離を近接させるということがご理解頂けると思います。ドイツ製のUV印刷機は原反との距離が近接しておりますが、旧型の国産機では相当に距離が離れているものあり、UV装置は同じでもUVの強さでは異なることが多々あるので注意が必要な場合があります。

今後の課題

これからの課題としては、UVインキ・ニスが硬化するUV光の領域を調査して、ピンポイントに硬化させることのできるUVランプを研究開発することであると思います。本当に必要とされるUV光の領域のみを効率よく照射できれば、UVランプ出力を大幅に絞って使用できるので、大きな節電効果をあげながらフィルムのような熱に敏感な原反をトラブル無く印刷することが可能となります。UV印刷の最もわかりやすい弱点としては電力を余計に使用することなので、ゼロには出来ませんが少しでも電力使用を減らすことが出来ればと模索しております。電気使用量はCO2排出と密接な関係にあることから、今後はインキメーカー・印刷機メーカー・UV装置メーカーと協力体制をさらに強固なものとし、環境に優しく・美粧性に優れるUV印刷の実践を図りたいと思います。

図3)マシンと装置の図